進化型組織の利点や特徴
マッキンゼーで組織変革プロジェクトに関わり、
コーチ、ファシリテーターを生業とする筆者が世界中の組織を調査して著したもの。
人間が誕生して以来、様々な組織の「かたち」があり、進化して来たが、
これからの時代に有効に機能する組織はどのような「かたち」であるのか、
本書である。
本書で書かれていることは多岐に亘るが、組織が目指すことは、
その組織の「存在目的」に対して最大の成果を上げることであるとすれば、
組織構成員である人々の可能性を引き出し、生産的で意欲が湧き出る仕組みを
追求することが組織論で考えるべきことである。
全員が(制限を受けず)情報を得て、権限を持って意思決定に参画すれば、
その実行責任に直結し、組織のパフォーマンスは最大化され得ること。
間接的な役割を省くことによる効率や士気の低下が防げること。
人々が「自分らしさ」をなくさずに仕事が出来ることによって力の減殺が少ないこと。
等々、進化型組織の利点や特徴が実例と共に詳述されている。
既存の組織をどのように「進化型」組織に移行させるのか、
という点については容易ではないものの、「未来型」組織のあり方を十分に感じられる