組織には守るべき原則って何やねん。

それよりリモートワークの方が大事やねん

組織には守るべき原則がいくつかある。

第１に、組織は透明でなければならない。
誰もが自分の働く組織の構造を知り、理解できなければならない。
当然であるが、しかし実際には軍を含め、多くの組織でこの原則が守られていない。
第２に、組織は最終的な決定を下すものを必要とする。
危機にあっては、そのものが指揮をとる。
第３に、権限には責任が伴わなければならない。
第４に、上司は一人でなければならない。３人の主人をもつ奴隷は自由人であるとの
ローマ法の格言こそ真理である。複数の上司をもてば板ばさみになる。
第５に、階層の数を少なくしなければならない。
情報理論が教えるように、情報の中継点が雑音を倍増し、メッセージを半減させることを
考えるならば、組織の構造は可能なかぎりフラットのほうがよい。

しかしこれらの原則は、何をすべきかについては教えない。
何をなすべきでないかを教える。うまくいきそうでないことを教える。
これらは建築家の建築基準に似ている。いかなる建物を建てるべきかは
教えない。制約条件しか教えない。
このことが意味するものは何か。それは個々の人間が同時にいくつかの組織構造の中で働くことが
必要になるとういことである。

ある仕事のためにはチームの一員として働き、別の仕事のためには指揮系統のなかで働く。
自分の組織ではボスだが、他の組織とは、提携や少数株式参加、合弁のかたちで
パートナーの一員となる。すなわち、組織とは一人一人の人間にとって、あくまでも道具にすぎない。